大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和46(オ)425 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点および第二点について。

上告人の本訴請求は、上告人は当時仙台高等裁判所に係属中の上告人に対する有

価証券偽造等被告事件の無罪を主張するため、その捜査に当たつた検察官六名を公

務員職権濫用罪により告訴したところ、当時札幌高等検察庁検事長の職にあつた被

上告人が、他の検察首脳と共同して、上告人のした告訴について、その事件処理を

故意に遷延させたため、前記被告事件について上告人をして有罪判決を受けるの已

むなきに至らしめ、よつて上告人に対し違法に財産上および精神上の損害を被らし

めたから、被上告人に対し右損害の賠償を求めるというのである。しかし、公権力

の行使に当たる国の公務員が、その職務を行なうについて、故意又は過失によつて

違法に他人に損害を加えたときは、国がその被害者に対し賠償の責に任ずるのであ

つて、本件のような事実関係のもとにおいては、公務員個人は被害者に対して直接

その責任を負うものではないと解するのが相当である。それゆえ、原判決(その引

用する第一審判決を含む。)が、右と同趣旨の理由によつて上告人の本訴請求を排

斥した判断は、正当として是認することができる。

上告理由第一点は、原判決の解釈は、憲法一四条一項に違反すると主張するが、

その実質は、単なる法律解釈の誤りを主張するに過ぎないものである。そして、右

所論および上告理由第二点は、いずれも、公務員個人の責任に関し、右と異なる独

自の見地に立つて、原判決を非難するものであり、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文の

とおり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 色 川 幸 太 郎

裁判官 村 上 朝 一

裁判官 小 川 信 雄

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